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最高裁判所第三小法廷 昭和40年(オ)361号 判決 1966年11月22日

上告人

松田智男

ほか一名

右両名訴訟代理人

田村稔

被上告人

株式会社松田商会

右代表者

松田重平

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人田村稔の上告理由第一点について。

記録によれば、原審は、その第七回口頭弁論期日において当事者双方が出頭しないのにかかわらず口頭弁論を終結し、第八回口頭弁論期日において判決を言い渡したことは所論の指摘するとおりである。しかしながら、訴訟が裁判を為すに熟するときは、裁判所は口頭弁論を終結して終局判決をすることができることは民訴法一八二条により明らかであつて、当該口頭弁論期日に当事者の双方が出頭していないことは、裁判所の右職権の行使を妨げるべき理由とならない。所論は、民訴法二三八条を根拠として右見解を争うが、民訴法二三八条は、当事者双方が口頭弁論の期日に出頭せず、または弁論を為さないで退廷した場合において、裁判所が口頭弁論を終結せずかつ新期日の指定をもなさないで当該口頭弁論期日を終了した場合における取扱を規定したものと解すべく、この制度があるからといつて直ちに所論のように解しなければならないものではない。原判決に所論の違法がなく、論旨は採用できない。

同第二点について。

所論は違憲をいうが、その実質は、原審の訴訟指揮の裁判に関する単なる法令違背を主張するものにすぎない。記録によれば、所論の指摘する証拠申請書は、原審口頭弁論終結後裁判所に提出されたものであつて、証拠申請としての効力がないものであるのみならず、本件訴訟の経過に照らし原判決に所論の違法があるとすることができない。論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(横田正俊 五鬼上堅磐 柏原語六 田中二郎 下村三郎)

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